空室率は2期連続低下。大型空室不足が継続。
新築ビルの根強い人気
CBREの調査によると、2022年6月期の仙台市内の空室率は2.5%と前期(同年3月期)より0.3ポイント低下した。
今年のオフィス床の新規供給は、「ダイワロイネットホテル仙台西口」の低層階の一部分という、限定的なものであり、かつその床も、竣工前にある程度の面積を消化していたので、空室率に影響を与えることはほとんどなかった。
昨年竣工した「JR仙台イーストゲートビル」では、順調に成約が進んでおり、ビル内で100坪以上を確保できる区画はなくなった。 2020年以降に竣工した、その他のビルにおいても、竣工後1年程度で高稼働という状況から、新築物件の人気の高さがうかがえる。
仙台中心部の他の物件の状況を見ても、100坪以上の区画は非常に少ない。コロナ禍の初期において特徴的だった、撤退・縮小の動きから大型区画の空室が発生するという現象は、コロナ禍が長期化する今となっては、なかなか起きづらいと想定される。この逼迫した状況は、少なくとも来年以降、複数のオフィスビルが竣工するまでは、解消しないものと思われる。
大型区画がこれほど少ない中で、全体の空室率が微減程度に留まっているのは、撤退や縮小により発生した小規模区画の空室在庫が、うまく消化できていないことが挙げられる。
大型化の動きをターゲットに
コロナ禍で働き方を見直す企業が増えたが、コロナ禍前と同様に出社し、さらにオンラインでの打ち合わせ専用ブースなどを拡充するため、よりオフィスを大型化する動きがある。一方、オフィスへの出社自体を最低限として、ほとんどオフィスを使用しない小型化を志向する両面の動きが、見て取れるようになっている。
このような動きには、業種業態の働き方の違いもあるため、どちらが正しいということはない。しかし、来年以降は多数の建築計画が予定されているため、特に、大型化している企業の誘致を、進めることがカギとなる。すでに仙台に進出している企業以外で、例えば、コールセンターをどの都市に開設しようか検討している企業を誘致できるよう、助成金等も含め、仙台の魅力を伝えることで、都市 間競争に打ち勝つことが重要と考えられる。
仙台支店 山本 和良
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