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賃貸オフィス・事務所の記事

福岡 - 賃貸不動産市場 2018年6月期

新築物件は短期間でほぼ満室。 賃料上昇率は全国主要都市でトップに。

二次空室発生は限定的

シービーアールイー(株)の調査による2018年6月期の福岡主要オフィスエリアの空室率は、対前期(同年3月期)比0.1ポイント上昇の0.5%となった。空室率はわずかに上昇したが、テナント需要は引き続き堅調で、エリア内での拡張移転や分室設置、建て替え等による立ち退き、新規開設、郊外から市内中心部への移転が多く見られる。こうした二次空室が発生しない移転が増えており、発生したとしても、面積拡張の移転ニーズが多いため、顕在化する空室は小規模であり、空室減少の歯止めとはなっていない。

大型の新規空室が出た際は、館内テナントによる増床で消化される場合や、外部に募集が出ても、早くて1週間、遅くとも1ヶ月程で次のテナントが決定するケースが増えている。好立地の優良物件では、大型の新規空室が出た際に、入札方式で新規入居企業を決定するケースも増えてきている。こうした中、移転を計画する企業は、タイムリーな情報入手と意思決定が必要である。

大幅な賃料上昇が継続

福岡市の想定成約賃料は、前期から2.9%上昇し、13,980円/坪(共益費込)となった。成約賃料の上昇が続き、各エリアで優良物件の新規空室が出た際は、さらなる上昇も予測される。企業の移転需要は旺盛だが、新築物件の供給が少ないため、近隣の既存物件の成約賃料上昇を受け、貸主による既存テナントへの賃料改定交渉が継続して行われており、ここ数年、毎年改定を行っている物件も出てきている。

2018年4月に竣工した「紙与博多中央ビル」をはじめ、11月竣工予定の「博多祇園NKビル」も、大通り沿いの好立地な物件ということもあり、正式募集開始から時間をかけずに満室に近い状態となっている。新築物件が好調な背景として、他都市と比較して福岡では再開発が進まず、新築物件の希少性が高いことも要因と思われる。

その中で、博多駅前一丁目という好立地に、2020年4月竣工予定、1フロア約324坪の大型物件、「(仮称)九勧博多駅前一丁目ビル」の建築計画が発表された。今後もタイトな市況は継続していくことが予測されるが、市内全体における再開発の促進剤になるものと予想される。こうした再開発による、さらなる移転喚起や市況の活性化に期待したい。

福岡支店 羽田 裕太

相場表

種別 賃料(共益費込み) 需給の動向 空室率
推移
博多駅前 13,000円~16,000円/坪 新築オフィスが竣工したが、満室のため空室率に影響はない。大型小型問わず、高い賃料で成約が続いている。 横ばい
博多駅東 11,500円~14,000円/坪 駅前エリアの賃料が後押しし、当該エリアでもさらに賃料水準が上昇。大きな解約もなく、空室率は低下している。 やや低下
呉服町 11,000円~13,500円/坪 今年3月期に解約が出た大型空室はほぼテナントが内定し、エリアの需要は堅調に推移している。 やや低下
天神 13,500円~16,000円/坪 大通り沿いの物件で急激に募集賃料が上昇しているが、需要が旺盛なため、高い賃料水準にもかかわらず内定している物件もある。 やや低下
赤坂大名 10,000円~11,500円/坪 前期と同様、需給の動きが少なく、賃料水準も停滞。 横ばい
北九州小倉 8,000円~10,000円/坪 2019年竣工のオフィスビル2棟へ移転するテナントの解約が出てくる可能性あり。それ以外の動きは少なく、市況は横ばい。 横ばい
中・大型倉庫
市内
2,700円~3,200円/坪 需要は引き続き堅調、供給は、中型を中心に品薄感が続く。賃料の下限が高騰しはじめた。 横ばい
空室率推移凡例:  上昇 上昇 やや上昇 やや上昇 横ばい 横ばい やや低下 やや低下 低下 低下

※物件検討時の予算の目安です。詳しくはシービーアールイー(株)社員におたずねください。

文中の空室率については、2014年3月期より、データ算出の対象となるオフィスビルを、原則として延床面積1,000坪以上、かつ新耐震基準に準拠した物件に変更しました。

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上記内容は BZ空間誌 2018年秋季号 掲載記事 です。本ページへの転載時に一部加筆修正している場合がございます。

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