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首都圏

空室率1.1%、過去最低を更新

今期(Q4)の首都圏大型マルチテナント型物流施設(LMT)の空室率は1.1%となり、2004年の調査開始以来の最低値を更新した。今期の新規供給6棟はすべて満床で、うち5棟は一棟借り(マスターリース含む)。需要を牽引したのはeコマースで、関連する企業が賃借した面積を含めると新規需要の約半分を占めた。また、物流企業も引き続き拡張に積極的で、大型の契約が複数見られた。既存物件で二次空室が出ることはほとんどなく、竣工1年以上の物件の空室率は過去最低の0.4%に低下。2019年1年間の新規需要は705,000坪、前年の1.6倍に積み上がった。Q4の首都圏全体の実質賃料は4,290円/坪。対前期比+1.4%と、四半期の上昇率としては2008年以降で最大となった。

大型の面積を希望するテナントは、竣工前の早い段階から物件を選定する傾向が強まっている。来期竣工予定7棟のプレリーシングは7割程度まで進んでいる。それらを勘案すると向こう2四半期の空室率は2%程度の低い水準を維持すると予想する。

Figure 1 : 首都圏 LMT物流施設 需給バランス

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東京ベイエリア

空室率は3期連続で0.0%となった。既存テナントの拡張意欲が強いため、解約区画が出ても早々に館内増床で埋まるケースが相次ぎ、外部募集に至ることは稀である。来期竣工予定の物件でもテナントの内定状況は順調とみられ、需給が逼迫した状態は変わらない。実質賃料は7,130円/坪、対前期比0.7%の上昇。2019年通年では5.3%と過去10年で最も高い上昇率となった。

外環道エリア

今期の新規供給2棟がいずれも満床で竣工し、空室率は1.6%と対前期比0.1ポイント低下した。依然として空室物件は限定的である。実質賃料は4,980円/坪、対前期比1.8%上昇した。川崎市内陸部は、消費地に近く配送利便性が高いこと、雇用確保にも有利であることから、eコマースの物流拠点として選好されている。この立地に今期竣工した1棟が、賃料水準を押し上げた。

国道16号エリア

空室率は前期から1.9ポイント低下の1.1%となり、2008年以降の最低値となった。今期は神奈川県内に3棟が竣工したが、いずれも満床。2019年は359,000坪の新規需要を計上し、過去最高となった。2020年竣工予定物件の約半分の面積で、すでにテナントが内定しており、今後も1%台の低い空室率が続く見通しである。タイトな需給バランスを反映して実質賃料は対前期比+1.7%、4,230円/坪に上昇。空室が枯渇している神奈川県下では、賃料は全域で上昇基調である。

圏央道エリア

今期竣工した1棟は一括借りのテナントが決定、前期までに竣工した物件もそれぞれ空室が消化され、空室率は1.3ポイント低下し1.2%となった。これは2008年以降の最低値である。1,000坪以上の空室を抱えた物件はもはや3棟しかない。隣接する国道16号エリアの需給がタイトなため、圏央道エリアでも利便性の高い立地の物件ではテナント内定が早まっている。2020年は供給が多いものの、空室率は4%以下の水準で推移すると予想している。空室がない地域を中心に賃料は上昇傾向で、実質賃料は3,380円/坪、対前期比+0.6%となった。

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近畿圏

空室物件の減少で、賃料上昇が加速

近畿圏LMTの空室率は対前期比1.6ポイント低下の4.0%となった。空室率が低下するのは7四半期連続。今期の新規供給2棟がいずれも満床でのスタートとなったことに加え、神戸市内陸部で2019年に竣工した物件も満床となった。内陸部では空室がまったくない状態で、テナントの物件選定が早まる傾向にある。竣工が1年以上先の物件で早くもテナントが決定した事例も複数みられる。湾岸部でも、まとまった空室があるのはわずか2棟で、この先の開発計画も1棟のみ。一方で、テナントの拡張意欲は依然として強いため、供給不足感が出てきている。そのため賃料上昇圧力は一層強まり、実質賃料は対前期比3.0%上昇の3,810円/坪となった。

2020年Q1、Q2に内陸部で竣工予定の3棟はリーシングが順調に進んでおり、募集が終了した物件もある。一方、湾岸部にQ2竣工予定の1棟は、日本最大の規模であることからリーシングには相応の期間が必要だろう。そのため、2020年Q2時点の空室率は8%程度に上昇する予想である。

Figure 2 : 近畿圏 LMT物流施設 需給バランス

Figure 2 : 近畿圏 LMT物流施設 需給バランス

中部圏

供給不足から賃料は上昇へ

中部圏LMTの空室率は、対前期比2.5ポイント低下の9.6%。今期竣工の1棟が物流企業の一棟借りとなったほか、前期竣工物件で残っていた空室もすべて消化された。この結果、2019年1年間の新規需要は81,000坪と、新規供給とともに2007年の調査開始以来の最高値となった。一方で、今のところ2020年、2021年に予定される新規供給はそれぞれ1棟ずつ。2017年からの3年間は平均して毎年5棟の供給があったことと比べると、供給は極めて限定的である。向こう2四半期の空室率は6%台と、低下傾向をたどるだろう。実質賃料は対前期比0.6%上昇の3,580円/坪となった。特に小牧市周辺など旧来からの物流集積地は、現状の空室がないだけでなく供給予定もないため、賃料水準が上がっている。

Figure 3 : 中部圏 LMT物流施設 需給バランス

Figure 3 : 中部圏 LMT物流施設 需給バランス

福岡圏

希少な新規供給を機に、賃料上昇基調強まる

福岡圏では、引き続き空室が枯渇し、需給がひっ迫している。2020年5月に2年ぶりに大型物件が竣工する予定であるが、リーシングは順調のようだ。2021年以降に竣工予定の物件でも、 引き合いが具体化しつつある。このように企業の物件選定を開始する時期が早まっている背景には、既存物件の不足が認知されたことや、テナントの希望面積が大型化していることが挙げられる。大型物件がすべて満床となった2019年Q2以降、賃料水準は目立って上昇しており、福岡市周辺の賃料は3,000円/坪以上が目安になっている。

その他の地域

地方都市の需要が顕在化

広島市周辺でマルチテナント型の開発計画が複数ある。東広島市の物件は市内から距離があるにもかかわらず、着工前の段階で具体的な引き合いがあるようだ。賃貸物件が少ない地域でも、中核都市の周辺ならば一定の需要が見込めることを物語っている。また、北海道、岩手県、宮城県、福島県といった地域でも、賃貸物件の開発計画をきっかけに物流需要が顕在化している。テナントの業種としては、スペースの確保に積極的な物流会社が多い。集約や配送の効率化の動きが全国的に波及していることも一因とみられる。

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