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地元の見解

銀座変貌は時代の必然ながら、投資的参入には大きな懸念も

全銀座会/銀座通連合会
事務局長 國平 與四雄

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建物の老朽化による更新時期を迎えた銀座

銀座は、いつの時代にも、その時代に合った変化を遂げてきました。近年の大きな変化としては、2000年以降、国際ブランドが銀座通りや晴海通りへ進出してきたことが挙げられるでしょう。銀座の大通りに面した要所は、高度成長期から金融機関が占めていましたが、バブル崩壊後の金融機関の統廃合に伴いこれらの物件に空きができるようになると、それまで並木通りなどに店舗を構えていた国際ブランドが、旗艦店を続々と出店させるようになりました。

このような店舗の入れ替えによる変化に加え、最近は、老朽化した建物の建て替えも盛んに行われています。銀座には、昭和30年代の終り頃、ちょうど東京オリンピックに向けて建てられた建築物が多く、現行の建築基準法施行以前のこれらの建物は、耐震構造や情報通信設備の面でも、今の時代にそぐわなくなってきています。ちょうど今、その更新の時期を迎えているといえるでしょう。

銀座の建物の更新を推し進めるため1998年に制定したのが、従来の地区計画で定められていた容積率や建物の高さ制限を緩和する新しい「銀座ルール」です。道路幅20メートル以上の通りでは、建物を20センチ後退させることを条件に、高さを従来の31メートルから56メートルに緩和するなどして、ゆとりある建築物への建て替えができるよう配慮してあります。

銀座には伝統文化を尊重した、商業目的の開発がふさわしい

このように、時代の変化を柔軟に受け入れてきた銀座ですが、最近はこれまでにない新たな変化に直面していると感じています。従来は、建て替えをする場合でも、土地の所有者が金融機関からの融資で資金を調達し、建物を建て、そこで自分たちの商売をしたりテナントを募ったりというケースが一般的でした。つまり、土地や建物のオーナーシップが明確だったわけです。ところが最近は、大手不動産会社との共同プロジェクトで大型商業複合施設が建設されたり、あるいは不動産証券化による開発が行われたりと、オーナーの"顔"が見えない開発が増えてきています。外資系ファンドなど、これまで銀座に馴染みのなかった新たな資本の流入によって、その傾向は強まっているように感じます。

この"顔の見えない開発"に対しては、私どもは注意深く見守っていきたいと考えています。特に、不動産証券化による開発となれば、短期の不動産投資によって、いかに利潤を上げるかに重点が置かれるようになってしまい、銀座の伝統文化を尊重した銀座らしい開発という視点がないがしろにされる懸念があります。銀座に進出されるオーナーの方々には、銀座の伝統文化をよく理解していただいたうえで、銀座の一員としてコミュニティの将来に責任を持っていただく必要があるからです。

それでは、銀座にふさわしい開発とはどういうものか。これについては、銀座はあくまで商業の土地ですから、商業を目的とした開発こそが銀座にふさわしいと考えています。数年前に銀座の風景をがらりと変えたといわれる国際ブランドの進出も、最近相次いでいる百貨店増床のための大型案件も、銀座の商業文化の発展に貢献する開発であれば地元としては歓迎しています。銀座ルールにおいても、建物の床面積の2分の1以上を飲食や物販、ホテルなどの商業機能で占めることを定めていますが、規制・ルールの問題ではなく、要は、商業を本業とする方が、その本業の発展のために開発したり進出したりということは、銀座の発展にとってプラスになるものだということです。また、銀座は様々な面で厳しい商圏ですから、例えば新規に出店されても、数年で退去されてしまう方も多数いらっしゃいます。本業での進出であれば、そのような厳しさにさらされ、銀座にマッチしない企業は淘汰されるという自浄作用を有している。それが銀座の伝統や商業文化をつくり上げていると言えるのではないでしょうか。

一方で、近年浮上している新規デベロッパーによる不動産事業を目的とした大型開発案件については、十分な話し合いが必要だと考えています。超高層ビルを建設して不動産事業で利益を追求しようという発想は、商業地としての伝統を守ってきた銀座としては必ずしも受け入れられるものではありません。

"銀ぶら"できる街づくりは、コミュニティの連携が不可欠

銀座にふさわしい街づくりとはどういうものか、「銀座街づくり会議」を発足させて検討を重ねてきました。1年以上にわたる議論で確認されたことは、銀座全体を一つのエリアとして考えたときに、お客さまが回遊できるような街、つまり"銀ぶら"できるような街にしようということです。そのためには、商業をベースとしたエリアであること、また個店だけがよければいいという発想ではなく、エリア全体が連携調和して取り組んでいくことが重要だと考えています。例えば、銀座がこれだけきれいで安全な街だと評価されているのも、防犯から清掃に至るまで、地元コミュニティの連携があるからです。

銀座の大通りに進出してきた国際ブランド各社にも、地元コミュニティと積極的に連携していただくようお願いしています。各国を代表する彼らも、文化や伝統を重んじ、お客さまへ丁寧なサービスを提供するという点では銀座の老舗と何ら変わりありません。現在、国際ブランド9社が銀座通連合会傘下の組織として国際ブランド委員会を構成し、銀座をより魅力的な街にすべく各種活動やイベントを行っています。世界有数のライバルブランド各社が、銀座という場所を軸に連携した、世界でも類を見ない例として高い評価をいただいています。

銀座通りや晴海通りへの国際ブランドの進出が一段落しつつある今、銀座一丁目や二丁目の銀座マロニエ通り周辺の開発が盛んに行われています。上質でかつ個性的な建物が建ち並び、銀座の特性を踏まえた開発が進められているようにも見受けられます。今後、近隣の有楽町駅前の開発も併せて進んでいけば、これまで以上にこの界隈が活性化されることでしょう。新しい銀座の顔の一つになっていくのではと期待しています。  銀座はこれまで、銀座らしさを大事にしたいという"銀座の旦那衆"と言われる老舗の方々や、お客さまによって守られてきました。銀座全体が建物の更新時期を迎える今、新たに進出してくるデベロッパーの方々にも、銀座の個性を尊重した銀座にふさわしい開発をしていただきたい。そのためにもぜひ、必ず計画以前から地元コミュニティと連携を取りながらの、顔の見える形での開発をお願いしたいと思います。

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上記内容は オフィスジャパン誌 2006年春季号 掲載記事 です。本ページへの転載時に一部加筆修正している場合がございます。

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