「BZ空間」秋季号 読者アンケートより
2020年9月1日発行の「BZ空間」秋季号の読者アンケートにて、「現在(そして3年後)、あなたは、どこで仕事をしていますか? 全労働時間を100とした時の割合でお答えください。自社オフィス( )% シェアオフィス( )% 在宅( )% その他( )%」との問いかけを実施。併せて、「コロナ禍の在宅勤務拡大やソーシャルディスタンス確保の影響から、企業のオフィス使用床面積は変化すると考えますか? ①増加 ②現状のまま ③減少」と、「アフターコロナのオフィスのあり方や変化、オフィスの意義、存在理由への見解」を聞いた。〔n=155〕
はたして今の市場マインドは、アフターコロナの「働く場所」をどうとらえているのだろうか?
まず、現在と3年後の働いている場所の割合を比較して、異なった回答をした「働く場所が変わる」人と、全く同じ「働く場所が変わらない」人が、ちょうど半々という結果になった。弊誌の読者かつFAXアンケートという偏った属性と、n=155という回答数で世間の一般論とするわけにはいかないが、現時点における先行き不透明さを象徴する結果に思える。また、働く場所が変わるとした77人の内、現在100%オフィス勤務の人は15人と2割弱なのに対し、変わらないという78人で100%オフィス勤務の人は55人と7割を超える。コロナ禍でオフィス以外で働く機会を得た人は、3年後にはさらに働く場は変わるととらえているようである。
では、どのように変わるのか? 予想通りだがオフィスが減り、在宅が35.3%と大きく増えている。同アンケートは9月1日発刊の弊誌秋季号に同梱されたもので、当時はコロナ禍真っ最中。にもかかわらず、今後3年間で在宅勤務がさら進むとする結果は、数値が示す以上にリモートワークの拡大を示唆しているのではないだろうか。
シェアオフィスは1.8%から3.6%と、増加とはいえ全体からするとボリュームは小さい。 CBREリサーチの調査によると、東京都内におけるシェアオフィスの床面積は賃貸オフィス全体の1%程度であり※、それを考えると妥当な水準とも思える。ただし、アンケート全体でシェアオフィスを働く場に挙げた人の割合は、4.5%から3年後には9.0%へと倍増。約1割の人が「利用するだろう」と考えるシェアオフィスは、今後存在感を増していくと思われる。
最後に、今後オフィス使用面積は増えるのか減るのか?これは、減少との回答が圧倒的で、増加すると答えた人はわずかに5人。「在宅勤務の拡大とソーシャルディスタンスの確保で相殺」とのコメントもあったが、大方の予想では、企業の使用床は減っていくとの見方のようだ。では、小さくなるオフィスは、いったいどのような市場を形成し、どのように構築されていくのか。次章以降をご覧いただきたい。
※CBREリサーチの調査ではフレキシブルオフィスと定義。