空室率低下が継続し、戸建ての優良物件も枯渇。
今期も空室率過去最低を更新
シービーアールイー㈱の調査による2017年9月期の金沢の空室率は7.2%と、前期(同年6月期)から0.5ポイント低下、調査開始以来の最低値更新が続いている。金沢駅周辺で一時的に空室が顕在化しているものの、中心部においてマンションのショールーム開設や立ち退きによる移転等があり、それを上回るペースで空室が消化される結果となった。
また、館内増床の動きが散見され、移転・新規開設ともに比較的大型の案件も含めて需要が増加している。そのため、金沢駅周辺の空室においても、近いうちに消化が進むものと考えられる。なお、移転・新規開設を希望する企業の業種については、IT、建設、教育、医療等さまざまであり、特に一定の傾向は見られない。
戸建て物件にニーズが集中
オフィスビルをはじめ、金沢では人気の高い戸建て(一棟貸し)の優良物件が枯渇しており、複数テナントからの入居希望が重なる事例もある。喫緊の課題として、オフィスビルの新規供給(駐車場が確保できることが条件)により、それらの需要を吸収できる環境になることが望まれる。
金沢営業所 沢田 貴弘
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相場表
種別 | 賃料(共益費込み) | 需給の動向 | 空室率 推移 |
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金沢市(中心部) | 7,500~9,500 円/坪 | 南町・武蔵エリアにおいて、立ち退きによる移転や、マンション、ホテルの建設に伴う短期のニーズにより空室が消化された。 | |
金沢駅周辺 | 9,500~13,000 円/坪 | 空室予定が出ても、市場に供給される前にテナントが内定する事例や、複数テナントから入居希望が重なる事例が増えてきている。 | |
富山 | 7,500~11,000 円/坪 | 郊外からの移転案件が断続的にあり、駅近くの一部ビルでは空室消化が順調に進んでいる。また、100坪前後の比較的大型の需要も発生している | - |
福井 | 6,500~8,500 円/坪 | 郊外から福井駅周辺への移転需要が散見されるものの、需給において目立った動きは見られない状況にある。 | - |
倉庫・配送センター 市内 |
2,500~3,000 円/坪 | 100~500坪程度の面積帯を中心に需要はあるものの、供給不足が続いており、物件とのマッチングが困難な状況にある。 | - |
倉庫・配送センター 市外 |
2,000~2,500 円/坪 | 300~3,000坪程度と幅広い面積帯で需要はあるものの、供給不足が続いている状況である。 | - |
空室率推移凡例: | 上昇 | やや上昇 | 横ばい | やや低下 | 低下 |
※物件検討時の予算の目安です。詳しくはシービーアールイー(株)社員におたずねください。
文中の空室率については、2014年3月期より、データ算出の対象となるオフィスビルを、原則として延床面積1,000坪以上、かつ新耐震基準に準拠した物件に変更しました。