大宮駅周辺は空室率1%未満で推移。新潟では大型ビルがほぼ満室で竣工。
成約賃料は上昇傾向
シービーアールイー(株)の調査によると、2017年12月期の「さいたま」エリアの空室率は、対前期(同年9月期)から0.2ポイント上昇して0.6%となった。空室率変動からは読み取れない動きとして、大型物件を中心に解約予告期間中の募集区画が相次いで成約しており、当面空室率が大きく上昇することはないだろう。そうした背景から賃料も上昇傾向となっており、一部の大型物件では数年前と比較して15%以上成約賃料が上昇した事例も出てきている。
さいたま新都心や浦和エリアにおいても、JR駅周辺の主要なオフィスビルの空室は希少で、需要も依然旺盛であり、募集から成約までの期間が短くなっている。
北関東・信越のマーケット
群馬県高崎市や栃木県宇都宮市においても、近年空室率は低下傾向で、各地の主要オフィスビルには空室がほとんどなく、若干ではあるがランドマーク級の物件で成約賃料が上昇した例もある。共通する傾向としては、エリア全体で100坪を超えるまとまった面積の空室は少なくなり、JR駅近、築浅の一定グレードを備えた物件に需要が集中している。
新潟エリアでは、2018年1月に「日生不動産東大通ビル」が竣工し、5年ぶりの大型オフィス供給となった。ワンフロア300坪を確保し、200台以上の駐車場も併設したことで、近隣大手企業の拡張や、立地・環境改善のニーズの受け皿となり、ほぼ満室稼働で竣工を迎えた。新潟駅周辺では連続立体交差事業が進んでおり、駅前や古町に開発予定物件も出てきた。今後のマーケット動向を注視していきたい。
ビル営業本部 荒井 誠
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相場表
種別 | 種別 | 賃料(共益費込み) | 需給の動向 | 空室 率推移 |
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さいたま市 | 大規模ビル | 19,000~24,000円/坪 | 大宮、さいたま新都心、浦和の駅周辺では、中規模以上の物件で空室がほぼない状態が続いている。需要も引き続き堅調で、大型物件の空室は、解約が出ても予告期間中に成約してしまうケースも散見される。物件グレードや築年数、駅距離の差で、濃淡は出てきているが、特定の空室が複数のテナント候補で取り合いになるケースもあり、優良物件確保のためには、相応の検討スピードを求められるだろう。 | |
中小規模ビル |
13,000~18,000円/坪 |
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千葉 | 千葉駅 | 8,000~12,000円/坪 | 千葉駅周辺では大型テナントの都心集約による退出等で、一部に若干の空室率上昇が見られたが、全体的には横ばいで推移。海浜幕張駅周辺の空室率は横ばいだが、1,000坪以上を確保できるビルが複数ある中、大型テナント招致に苦戦が続いている。船橋駅周辺は引き続き面積帯に関わらず空室はほぼなく、テナントは選択肢が限られる状況。柏駅周辺も、船橋と同様の状態。新規募集となる物件は従前よりも賃料目線を高めに設定する傾向が見られる。 | |
海浜幕張駅 | 9,000~10,000円/坪 | |||
船橋駅 | 9,500~13,500円/坪 | |||
柏駅 | 11,000~14,000円/坪 | |||
茨城 | 水戸 | 7,500~10,000円/坪 | 水戸エリアへの引き合いは限定的で、空室状況に大きな変動はない。つくばエリアでは、つくば駅徒歩10分圏内の物件については引き続き好調で、空室がさらに減少してきている。 | |
つくば | 10,000~13,000円/坪 | |||
群馬 | 高崎 | 8,000~11,500円/坪 | 高崎エリアは前期に引き続き100坪以上の成約が複数あったこともあり、西口、東口ともに空室率が低下した。駅前好立地の物件に空室が少ない状況が続いている。今期は前橋エリアでも100坪超の空室消化があったため空室率が低下したが、需要は低迷したままである。 | |
前橋 | 5,000~8,000円/坪 | |||
栃木 | 8,000~11,000円/坪 | JR宇都宮駅周辺を中心として、小規模ではあるが、新規出店、立地改善移転といった前向きな需要が散見される。大型空室は引き続き品薄で、エリア全体の空室は微減となった。 | ||
新潟 | 8,500~11,000円/坪 | 50坪超の新規開設、館内増床等の新規需要が駅前、駅南、古町それぞれで確認され、1月に竣工した「日生不動産東大通ビル」もほぼ満室で竣工を迎えたため、エリアの空室率は低下した。ただ、来期以降、まとまった二次空室が顕在化する可能性があり、注意が必要である。 | ||
長野 | 8,000~11,000円/坪 | 20~30坪の需要が散見され、駅周辺の物件は空室が減少している。一方で、駅から徒歩10分程度離れるような立地ではリーシングに苦戦しており、長期空室を抱えている物件が多い。 |
空室率推移凡例: | 上昇 | やや上昇 | 横ばい | やや低下 | 低下 |
※物件検討時の予算の目安です。詳しくはシービーアールイー(株)社員におたずねください。
文中の空室率については、2014年3月期より、データ算出の対象となるオフィスビルを、原則として延床面積1,000坪以上、かつ新耐震基準に準拠した物件に変更しました。